安かったのと地味に折り畳みタイプで2分割のスマートフォンを買ったことが無かったので購入してみました。
- 値段の安さ
- 2画面
- 2画面が取り外し可能
- 2画面が後ろに回せられる
- Hi-Fi Quad Dac搭載による音質の良さ
- 他のスマートフォンより更に超広角
- ハイエンドSoC搭載
- ガラパゴス機能の搭載
- 指紋認証が認識しない事が多い
- 指紋認証が遅い(他の画面内指紋認証の機種と比べて)
- 2画面を同時利用できるアプリが少ない
- 2画面機能のソフトウェアの周りの作り込みがあまい
- LGデュアルスクリーン(ケース)を着けると使えるイヤホンが制限される
- LGデュアルスクリーン利用時のベゼルが広い
- 若干スペックが控えめ
- 望遠カメラがない
LG G8X ThinQ
スペック
OS | Android 9 |
---|---|
カラー | オーロラ ブラック |
SoC | Qualcomm Snapdragon 855 オクタコア |
ディスプレイ | 本体 約6.4インチ(2340×1080)FHD+ LGデュアルスクリーン 約6.4インチ(2340×1080)FHD+ |
メモリー | 6GB |
ストレージ | 64GB |
バッテリー | 4000mAh |
カメラ | リアカメラ 1,200万画素 リアカメラ 1,300万画素 広角 フロントカメラ 3,200万画素 |
サイズ | 約164×166×15.0mm (本体のみ:約76×160×8.4mm) |
重さ | 約331g (本体のみ:約193g) |
ワイヤレス充電 | Qi対応 |
ネットワーク | FDD-LTE Band 1/2/3/4/8/11/12/17/28 TD-LTE Band 38/39/40/41/42 WCDMA Band 1/2/4 GSM 850/9001800/1900MHz |
SIMスロット | nano SIM×1 |
microSDスロット | microSDXCまでの対応 |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
テレビ | フルセグ |
防水防塵 | IP68(LGデュアルスクリーン非対応) |
FeliCa(おサイフケータイ) | 対応 |
パッケージ
黒いパッケージです。やはり白より黒いパッケージの方が流行りなのでしょうか。
本体等が入っている箱とLGデュアルスクリーンが入っている箱で別れています。
箱を開けて直ぐにスマートフォン本体が見えてきます。
本体を避けるとTPUのケースと透けて説明書がみえます。
付属品の類はこんな感じで入っています。
外見
表面はこんな感じです。下部のベゼルがハイエンドモデルとしては少し太めです。またその他の部分も若干太いかなと思います。
カラーはオーロラブラックと言う色でほぼ黒ですが、光が当たると青っぽく見えたりもします。
側面の仕上げは鏡面仕上げです。ボタンの配置は右に電源ボタンのみ、左に音量ボタン、Googleアシスタントボタンが有ります、以前のGalaxyシリーズと同じ配置ですね。
側面上部にSIMスロットがあります。上部にSIMスロットがあるのでケースを完全に外さなくてもSIMカードを入れ替え出来ます。そこまで考えてこの位置はしたかは分かりませんが便利です良いです。
側面下部には最近のハイエンドスマートフォンではほぼ絶滅したと言っていいイヤホンジャックが有ります。Hi-Fi Quad Dacを搭載し音質に力を入れている当然ではあります。
他のハイエンドスマートフォンはコストのかかってない変換アダプター内の貧弱なDAC、アンプになるので基本的には内蔵だった時より音質は落ちています。
小型で高音質なUSBDACも出てたりはします。
この位置以外のスマートフォンの方が珍しい気がしますが側面下部の中央にUSBポートがあります。
LG G8X ThinQのSIMトレーはキャリアモデルなのにSIMカードが2枚させるデュアル仕様です。2枚目のSIMが挿せるところは画像にもある通りmicroSDカード用の部分で挿せはしますが実際の利用は不可能となっています。
付属品
付属品はTPUケース、イヤホン、説明書、LGデュアルスクリーン利用時用マグネット充電アダプター、LGデュアルスクリーンです。
ACアダプターの類はありませんが付属品は充実しています。あまりケースがないのでLGデュアルスクリーンに加えて単体利用時にも使えるTPUケースもついているのが嬉しいです。
LGデュアルスクリーン
この機種の目玉の一つのLGデュアルスクリーンについて書きます。デュアルスクリーンの機能などについては他の部分で語るとしてここでは外見などを紹介します。
LGデュアルスクリーンの折りたたみ時の表面です。表面にはバッテリー容量や通知などを表示するディスプレイが搭載されています。ディスプレイは写真上部の少し色が変わっている四角形の所です。
映り込みがないように撮影していますが表面の部分は鏡の様な鏡面仕上げになっていて鏡としても使えそうな感じです。
背面はカメラなどがある部分がくり抜かれています。また、革の様な質感の表面仕上になっています。
LGデュアルスクリーンを開いた状態がこちらです。左側にはデュアルスクリーンが有ります。デュアルスクリーン側にはカメラは搭載されていませんが画像の様にノッチが有ります。
スマートフォンの入る部分だけを見る感じでは普通のケースという感じです。
因みにLG G8X ThinQとの接続はUSB Type Cです。
左側はアシスタントボタン、音量ボタン共に覆われてケースのボタンを上から押すタイプです。そしてヒンジがあります。
ヒンジは360°回転可能な物になっていてデュアルスクリーンをLG G8X ThinQの裏側に回せます。右側はほぼフルオープンになっています。
LGデュアルスクリーンのイヤホンジャックの開口部は狭く私が持っているイヤホン、ヘッドホンはほぼ干渉してしまい唯一SONY MDR-EX800STのみプラグが小さいので問題なく挿せました。
JVC HA-FX1100とRose BR5 Mk2の純正ケーブルではプラグが当たってしまって奥まで挿さらず、音楽を聞くことが出来ません。この点はかなり不便に感じます。
参考 SONY、インナーイヤーモニター「MDR-EX800ST」レビュー
参考 JVC HA-FX1100 レビュー HA-FX850との違いは?
2画面で利用できるアプリ
- カメラ(ミラーモード/レフ板モード)
- ギャラリー(マルチページモード)
- Whale(ワイドモード)
- Chrome(ワイドモード)
- ゲームパッドが使えるゲーム(1画面をゲームパッドとして利用可能)
2画面を同時に利用可能なアプリはとても限られています。
右画面でワイドモード押すと同時に左画面で3本指スワイプでするとすべてのアプリでワイドモードが使えます。画面の変移時に1画面に戻ってしまたりしますが、かなり使えると思います。
具体的にはこんな感じにやると出来ます。
どんなアプリも無理やりワイドにするボタンができたぞ
— ゆたか (@tmyt) December 12, 2019
QuickSettingsに”Wide Mode”ってボタン増えるので押すとメイン側のアクティビティがワイドになるます。内部APIを直接呼んでるので運が悪いと描画崩壊するかも。最悪デバイス再起動で治ります。 https://t.co/ulJ3BFVHTl
— ゆたか (@tmyt) December 12, 2019
こちらのアプリを入れるとクイック設定パネルに「Wide Mode」のボタンが追加できる様になり、ボタンを押すと右側のメインのアプリがワイドモードに切り替わります。逆にワイドモードになっている時にボタンを押すと戻ります。
アプリを入れない方法でも使えない事も無いですが難易度が高く面倒なのでワイドモードで使いたい人はこちらを使うと良いでしょう。
追記Google Play Storeでもアプリが公開されました。インストールはこちらこちらから
LGデュアルスクリーン
LGデュアルスクリーンを着けて使った感想は重いです。ケースを着けた時の重量は合計で331gにもなりスマートフォン2台分程度重量と2画面のスマートフォンなので妥当な気もしますがやはり重く感じます。
Galaxy Foldはタブレットが折り畳める感じなのに対して LG G8X ThinQはスマートフォンが2つ合体したという感想です。
LG G8X ThinQでは横が広く当然ながらスマートフォンのサイズの画面2つなので1つづつアプリを開いて使うというのがやりやすいです。
Galaxy FoldはAndroidのマルチウィンドウ機能を少し拡張した感じですがLG G8X ThinQはデュアルスクリーンツールという専用の物になり、左右の入れ替えや画面の移動がスムーズに行なえ2つアプリは使っている時の利便性はこちらが良いです。
また、標準でアプリの動作がどちらもアクティブに出来るのはゲームをやる人には有り難いところでしょう。
反面、間のベゼルが太いのでワイドモードで1つの画面として使うとコンテンツが見づらく感じます。更に微妙に左右のパネルの色合いが揃っていないのも白い画面の時は気になります。
比較
Galaxy Foldと画面を開いた状態で並べたのがこちらの写真です。縦はさほど変わりませんが横幅は結構違います。
折り畳んだ状態ではこんな感じです。折り畳んだ状態では特に横幅の違いが大きくなります。LG G8X ThinQは横幅が大きく入れる場所を選ぶ感じです。
参考 スマートフォンの新たな形「Galaxy Fold(SCV44)」 レビュー
音質
Fiio X7(AM1)との比較ですとやはり低音部分が薄く感じます。
それと音の定位がFiio X7ではクッキリしているのに対してボヤケている感じがします。解像感はFiio X7はくっきりはっきりみたいな音作りでは有りません。LG G8X ThinQの音作り自体は高解像度感がある感じですが比べると落ちます。
Fiio X7はホワイトノイズがまあまあ多い気がしますが、この部分はLG G8X ThinQ の方が低ノイズで良く感じます。
私が持っている同じくHi-Fi Quad Dac搭載※のLG V20 PRO(ES9218)と比べると若干いいか同じくらいな気がします。音のバランスも同じ感じに思えます。
※LG G8X ThinQは恐らくES9218P
一応出力はAKG K702で音量が取れるぐらいは有ります。
高級なDAPと比べているのであんまり良くないのかなと言う感じになっていますがスマートフォンとしてはとても音質は良好です。低価格なDAPとの比較であればこちらの方が良いです。
これ以上音質に拘るのであれば「GRANBEAT DP-CMX1」がDAPと同レベルで音質がいいくらいです。
「GRANBEAT DP-CMX1」は今でも十分に使えるスペックでは有りますがアップデートもありませんし画面の割に重く、大きいのでスマートフォンとして実用性は「LG G8X ThinQ 」が大きく勝っています。
ハイレゾ再生
LG G8X ThinQはハイレゾ再生に対応しています。32bitしか書いてないので自分でざっと調べてみました。
純正の音楽アプリではDSD128まで(352.8kHz/32bitへの変換で再生されている様です)、PCMでは352.8kHz/24bitまでの再生を確認しています。また、MQAでは44.1kHz/24bitになるのでハイレゾでの再生は対応していません。
USB Audio Player PROでは内蔵オーディオドライバの設定をハイレゾダイレクトドライバにし、ハイレゾドライバフラグの設定をDirectをのみ有効にする事で内蔵DACを有効にしたハイレゾ再生が可能になります。
USB Audio Player PROでは192.2kHz/24bitまでが限界の様でそれ以上はダウンサンプリングされます。MQAは88.2kHz/24bitの再生になりますが再生可能です。
DSD256も再生可能でしたが176.4kHz/24bitでの再生になります。DSD128でも同じ表示です。
以上の検証はadbコマンドで確認を行いました。
スピーカー
スピーカーの音質はまあまあいいと思います。他のハイエンドスマートフォン、例えばGalaxy Note 10+、iPhone 11 Proに比べると2、3歩劣っていると感じます。
参考 Galaxy Note 10+(SM-N9750/DS)レビュー
参考 「iPhone 11 Pro」レビュー カメラ・Antutuベンチマーク・外見・フィルム
ソフトウェア
便利な機能
便利な機能ではスマート設定、画面録画、フローティングバーなどの機能があります。
スマート設定
スマート設定では場所や利用場面自動的に設定を変更したり、アプリを起動したりが出来ます。
デュアルアプリ
前から搭載するスマートフォンが増えていますがアプリを2つインストール出来、2つのアカウントを利用できる機能です。
画面録画
画面録画時の画質設定や音源の設定をマイクかコンテンツから選べます。マイクを選ぶとコンテンツの音に加えて周辺の音も入れられます。
表示
表示では画面関係の設定が変更可能です。
ホーム画面
ホーム画面ではドロワー使うか使わないかの設定やアイコンの形、グリッドなどなどの設定が出来ます。
ホームタッチボタン
ホームタッチボタンではナビゲーションバーを3ボタンのナビゲーションバーにするか、2ボタンのジェスチャーにするか選べます。
因みにLGデュアルスクリーン側のナビゲーションバーにはこの設定は反映されません。
ナイトモード
ナイトモードもあり、設定画面などやクイック設定パネルを黒基調に変更できます。
デュアルスクリーン
デュアルスクリーンではLGデュアルスクリーンの設定を色々変更できます。
デュアルスクリーンツール
デュアルスクリーンツールの機能はこんな感じです。ワイドモードに対応しているアプリではワイドモードのボタンも出ます。
セカンドスクリーン
本来だとLGデュアルスクリーンの方に適用されるはずだと思いますがメインスクリーンの方に反映されます。
ゲームパッド
ゲームパッド対応のアプリでは片方の画面をゲームパッドにして遊べます。ゲームパッドは5種類あって4つは上記の通りのボタン配列で残りの1つは全部自分でカスタマイズ可能になっています。
充電
LG G8X ThinQは3つの方法で充電が出来ます。まず1つ目は通常のUSBポートからの充電です。こちらは急速充電も可能になっています。
2番目はマグネットを介しての充電でこちらは急速充電は出来ません。
最期にQi(ワイヤレス)での充電が可能です。また、ワイヤレスチャージはケースを着けていても可能なのでケースを着けている時はこちらを使って充電しています。
USBPDでの急速充電時には2時間程度で充電が終わりました。Qiでは4時間20分程度で100%になっています。
電池もち
デュアルスクリーンで使っていると正直電池持ちは悪いです。Hi-Fi Quad Dacで音楽を聞きながら使っていたのも原因だと思いますが1時間で20%以上もバッテリーを消費していました。
ベンチマーク
Antutu Benchmark
総合スコア | 416543 |
---|---|
CPUスコア | 140398 |
GPUスコア | 159466 |
UXスコア | 63194 |
MEMスコア | 53485 |
Geekbench
シングルコアスコア | 718 |
---|---|
マルチコアスコア | 2550 |
Galaxy Fold(Snapdragon 855)
Antutu Benchmark
総合スコア | 446784 |
---|---|
CPUスコア | 133894 |
GPUスコア | 174334 |
UXスコア | 56803 |
MEMスコア | 81753 |
Geekbench
シングルコアスコア | 702 |
---|---|
マルチコアスコア | 2590 |
メモリーがGalaxy Foldに比べて少ない為だと思いますがMEMの部分のスコアが低いです。
1画面の場合は解像度が低い分Galaxy Foldより有利なはずだと思いますがGPUのスコアもちょっと低いです。
メモリー、ストレージ
初期のアプリを入れていない状態ではこんな感じのメモリーの空きです。
ほぼ初期状態でストレージはこの程度空いています。64GBなので余裕はそれほど有りませんがmicroSDカードも対応していますのでそれほど困りはしないでしょう。
アクセサリー
ケース
ケースは2画面で使うのが殆どなので購入していません。付属品の部分でも触れた様にTPUのケースも付属するので別に必要な方はさほどいないでしょう。
フィルム
フィルムはPDA工房の光沢仕様のフィルムを貼っています。
なぜガラスフィルムでは無くPET製のフィルムなのかと言うとメインスクリーンとデュアルスクリーンの両方にガラスフィルムを貼ると閉じた時に干渉する様なのでPET製にしています。ガラスフィルムがいい場合でもどちらか片方のみに留めておくのをおすすめします。
メインディスプレイ側は画面にアールがついているので平面部分のみを覆います。LGデュアルスクリーンは左右少し余裕があります。
LGデュアルスクリーンの表側の指紋が目立つのでまだ届いてはいませんがアンチグレアのフィルムも購入しました。
購入したアンチグレアのフィルムが届いたので貼ってみました。
かなり反射が抑えられています。鏡の様だったのが磨りガラスの様になって反射はしていますが映り込みは気にならない感じです。指紋も比較的目立ちづらくなっています。
まとめ
多少イマイチなところも有りますがハイエンドSoC搭載で安く、更に2画面ケース、Hi-Fi Quad Dac、防水、おサイフケータイ(FeliCa)、テレビと盛り沢山で2画面で使うつもりがない人にもソフトバンクのスマートフォンの中一番オススメです。
今年購入したスマートフォンで価格に対しての満足度では一番良いです。
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