USB4に対応したPCが欲しかったのと5900HXに比べて7840HSでかなり性能向上しているのでMinisforum EliteMini UM780 XTXを購入しました。
トラブルがあって遅くなりましたがレビューしようと思います。
Minisforum EliteMini UM780 XTX
スペック
モデル | Minisforum EliteMini UM780 XTX |
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OS | Window 11 Home(ベアボーンキット以外) |
カラー | ブラック、ゴールド |
SoC | AMD Ryzen 7 7840HS オクタコア |
メモリー | SO-DIMM DDR5-5600 最大96GB(48GB×2) |
ストレージ | M.2 2280 PCIe4.0 SSD ×2 |
インターフェイス | RJ45 2.5GbE イーサネットポート×2 Oculink ポート(m.2スロット1つと排他) x1 USB Standard-A USB 3.2 Gen2(10Gbps) ポート ×4 USB Type-C USB4(40Gbps) ポート ×2 DP Alt、シンク USB PD 100W、ソースUSB PD 15W(5V 3A) HDMI 2.1 ×1 DisplayPort 1.4 ×1 オーディオ・ジャック ×1 |
サイズ | 182mm×159mm×120mm |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax(Wi-Fi 6E対応) |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 |
パッケージ
パッケージは黒の箱に金色で文字が入っている程度でかなりシンプルです。裏面にはバリエーションを区別するシールが張ってあります。
スリーブを外して箱を開けるとPC本体が見えます。PCの下には付属品が入っています。
付属品
付属品はスタンド、メモリー用ヒートシンク、ネジ、ACアダプター、電源ケーブル、HDMIケーブル、VESAマウンター、M.2-OCulink(SFF-8612)アダプター・カード、バックライトエッジングシート、説明書などが付属しています。
私が今回購入したのはベアボーンキットなのでメモリー用ヒートシンクが付属していますがそれ以外のモデルでは本体に組み込まれています。
付属品のACアダプターは120Wの出力に対応している割にかなりコンパクトです。マルチボルテージなので他の国でも利用できます。電源ケーブルとの接続は3ピン(IEC 60320 C5)と若干マイナーな物になっています。
Minisforum EliteMini HX90に付属するACアダプター(ほぼ同じ容量)と比較すると大きさや厚みが大幅に小さくなっている事が分かります。
外見
写真では若干強調されている感じがありますが天板はLED発光部の上の部分が黒に近い半透明になっています。
背面にはゴム足が付いています。また各種認証情報や入力などが書いてあります。
電源ボタン側にはCMOSリセットボタン、USB Type-C USB4(40Gbps)、USB Standard-A USB 3.2 Gen2(10Gbps)が2つ、電源ボタンが配置されています。
反対側はUSB Standard-A USB 3.2 Gen2(10Gbps)が2つ、DisplayPort 1.4、USB Type-C USB4(40Gbps)、OCulink(SFF-8612)、HDMI 2.1、RJ45(2.5Gbps)×2、電源ポートがあります。
こちら側から排熱するので塞がない様に注意が必要です。
以前利用していたMinisforum EliteMini HX90と比べるとこんな感じでかなりサイズが違います。
Minisforum EliteMini HX90がミニPCとしては大きめなサイズなのでMinisforum EliteMini UM780 XTXがそこまで小さい訳ではないです。
iPhone 13 miniと並べるとコンパクトなのがよく分かります。
付属のスタンドに取り付けるとこんな感じです。おそらくRGBライトが見やすい様に直角ではなく少し角度がついた形状になっています。
内部
マグネットでくっついている蓋を外すとLEDライト部が見えていきます。四方のネジを外して取り外します。
赤丸で囲った場所にコネクターがあるので気をつけ外します。メモリースロットに近い箇所のコネクターは必ず外す必要があります。
内部はこんな感じです。m.2 2280のスロットが2つ、SO-DIMM DDR5のスロットが2つあります。
取り付けるとこんな感じです。
天板側にはヒートシンク一体型のファンが搭載されています。ベアボーンキットなのでサーマルパッドの保護シールは剥がされていません。
ファン
ファン音は軽負荷時やアイドル時はあまり気にならない程度でマウスのクリック音の方が煩いかなと思います。
高負荷時はうるさいかうるさくないかで言うとうるさいですがCPU使用率が下がれば直ぐにファンの回転数も下がりますし、個人差はあると思いますが許容出来る範囲です。
Minisforum EliteMini HX90と比べるとずいぶん小さくなったのでファン音は大きくなるかなと思っていましたが冷却機構が強化されている為むしろ静かになりました。
RGBライト
特徴の一つにRGBライトがついていて天板が光る機能があります。写真の様に四角形に光ります。
バックライトエッジングシートをLEDライトとの間に挟むことで好きな形に光らせる事ができます。付属しているのは虎の形のバックライトエッジングシートとなっています。光るカラーは三色固定で変更は出来ません。
自作用に寸法が記載された画像ファイルを配布しているのでカスタマイズしたい人はそちらを参考にするといいでしょう。
UEFI(メーカーはBIOSと呼称)からRGBライトはOFFに出来るので不要な方でも問題ありません。
ベンチマーク
測定条件はUEFIの設定がBalance Mode、電源プランがバランスでテストしています。
Cinebench R23 | |
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シングルスコア | 1,707 |
マルチスコア | 15,864 |
Cinebench 2024 | |
シングルスコア | 103 |
マルチスコア | 917 |
Geekbench 6 CPU | |
シングルスコア | 2,622 |
マルチスコア | 13,344 |
Geekbench 6 GPU | |
OpenCL | 33,190 |
Vulkan | 35,443 |
3DMark | |
Time Spy | 3,137 |
高負荷時でも73℃程度にしかCPUの温度は上がらず、シングルコアしか使わないベンチマークではファンがアイドル時より少し煩くなる程度で冷却には余裕があります。
次のテストではUEFIの設定がPerformance Mode、電源プランが高パフォーマンスでテストしています。
Cinebench R23 | |
---|---|
シングルスコア | 1,751 |
マルチスコア | 16,803 |
Cinebench 2024 | |
シングルスコア | 104 |
マルチスコア | 971 |
Geekbench 6 CPU | |
シングルスコア | 2,546 |
マルチスコア | 13,414 |
Geekbench 6 GPU | |
OpenCL | 32,903 |
Vulkan | 38,628 |
3DMark | |
Time Spy | 3,232 |
高負荷時だと79℃で若干温度は高くなっています。一部下がっている部分もありますが概ねスコアは向上しています。
Minisforum EliteMini UM780 XTXのベンチマークと言うよりSK hynix Platinum P41 2Tのベンチマークですが一応こんな感じです。
USB PD
USB PD対応のACアダプターやモニターなどを電源の代わりに使う事が出来ます。
UEFIの設定がPerformance Mode、電源オプションが高パフォーマンスでベンチマーク(Cinebench R23)での消費電力をUSBテスターで計ったところ最大68W程でした。なので65Wの製品では足りず、余裕を考えて100W程度の出力に対応した製品が必要です。
Cinebench R23 | |
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シングルスコア | 1,592 |
マルチスコア | 14,756 |
消費電力を抑える為だと思いますがUSB PDだと性能が落ちます。1割ほど落ちるのでフルに性能を発揮したい場合はUSB PDでは駄目です。
また、ノートパソコンと違いバッテリーを内蔵していないので出力が途切れると当然ながら電源が落ちてしまうので安定性の面では不安があります。
ドライバー等
今回私が購入したのはベアボーンキットなので自分でドライバーのインストールが必要です。
メーカーのサポートページに一式有りますが各デバイスのメーカーから新しいドライバーが出ているので無理にメーカーのドライバーを使う必要は有りません。
Ryzen AIを使うにはUEFI(メーカーはBIOSと呼称)のアップデートが必要です。 AMD IPU driverがデバイスマネージャーに表示される様になります。
使ってないのでわかりませんがRaidを利用する時はRaidのドライバーが必要になる様です。
eGPU
OCulink(SFF-8612)での接続に対応しているのが特徴一つです。
OCulinkでの接続が可能なeGPUボックスは国内ではGPD G1 2024、ONEXGPUがありますどちらも同じGPUのRadeon RX 7600M XTを搭載していて大きな違いは電源内蔵か、ACアダプターなのかです。
また、M.2スロットをONEXGPUは搭載しています。
GPD G1 2024については下記の通りの記載があります。前モデルのGPD G1はMinisforum EliteMini UM780 XTXで使っている人もいるみたいなのでどうなのかとは思いますがその様に書かれています。
MinisforumのミニPCに関しまして相性問題が発生しており、GPD G1の動作保証対象外とさせていただきます。ご了承ください。
OCulinkからPCI Express x16スロット(接続は当然ながらx4)変換基板も売っています。
別途電源が必要な上むき出しなので正直使い勝手は悪そうです。
USB4(PCIeオプション)での接続ですとOCulinkでの接続より性能は落ちますが一般的なので色々な製品があります。
Intel ArcはThunderbolt 3に対応したeGPUボックスでは動かない様なので気をつけましょう。
トラブル
最初から何度もブルースクリーンになってしまい使い物にならなかったので本体が原因かと思い交換してもらいましたが駄目でした。交換してからも不具合が出た為サポートに再度問い合わせするとCrucial CT16G56C46S5.M8G1を使用している一部ユーザーに不具合が出ていると言われました。
そのためメモリーをSK hynixのチップを採用しているSanMax SMD5-S64G88H-56B-Dに交換したところブルースクリーンは起こらなくなりました。
PassMark Memtest86でもエラーは出ず、1つずつ使ってもブルースクリーンになったのでメモリーが2つとも不良だとは考えづらく相性が悪かったようです。
また、32GBモデルではメーカーでもCrucial CT16G56C46S5.M8G1を採用している場合がある(今はKingstonかも知れません)ので余計メモリーとの相性だと思いませんでした。
ベアボーンキットだと不具合が出た時に切り分けが難しいので国内で完成品を買うほうがおすすめです。
まとめ
GPU性能がそこそこでいいのならCPUはかなり高性能ですしなにより場所を取らないので気に入っています。
コストパフォーマンスは悪いですがGPUも一応売りのOCulink(SFF-8612)やUSB4(PCIeオプション)での接続が可能なので後からGPUを追加する事も不可能では有りません。
Minisforum EliteMini UM780 XTXとMinisforum Venus Series UM790 Proで悩む人もいると思いますが、AMD Ryzen 7 7840HSとAMD Ryzen 9 7940HSはクロックが若干違う程度でさほど違いは有りません。細かい部分ですがUSBポートの配置や整備性など改善しています。
今から買うのならMinisforum EliteMini UM780 XTXの方がベターだと思います。
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